三重県名張市丈六寺五輪塔(名張市有形文化財)修復させて頂きました。
名張市丈六寺五輪塔(名張市有形文化財 1291年 鎌倉時代)の修復をさせて頂きました。三重県名張市丈六寺五輪塔(名張市有形文化財)修復させて頂きます。(こちらの続きになります)
工場に持ち帰り、傷んでいる(欠けている)ところを切り取り、補填作業をしました。欠けている部材は、火輪・水輪・地輪の3パーツです。
水輪After(最終写真が無かった(T_T)こちらも途中写真です)
(拓本をとっているところ)
文化財の先生方も工場へ来てくださり寸法を取ったり彫刻されている文字を拓本をとったり、色々な調査をされていました。
欠けた部分に新しい石材を補填し、昔ながらの鉄ノミで加工しました。
補填した石材も地元の同質の石材を使用しています。
ありし姿に戻る事が御住職様の願いであり、補填した部材の箇所、新しく作った返り華もエイジングを施し、古くからある様に修復させて頂きました。
焼骨や写経石を入れる為の穴と蓋を作成。
無事納めさせていただく事が出来、ほっとしました。
今まで石の文化財は修復されずに放置されてきて当初の姿が分かりにくくなったものが多く存在しています。
ボンド等が進化してきた今日では石も接着して補填していく事が可能になっていますので、未来へ文化財を少しでも美しく残していく為取り組んで行かないといけない作業になっていくのではないかと思います。
それと同時に、昔ながらの加工技術を持つ石工職人の育成・継承は必須になります。
その為に、少しでも貢献していけたらと思っています。
また一つ、貴重な経験をさせて頂いた事、心から感謝しております。
馬頭観音様を納めさせていただきました。
名張市内のお寺様に、 馬頭観音様を納めさせていただきました。
ご家庭のペットの供養に馬頭観音様が良いという事でした。
目に触れる石の彫刻作品はほとんどが中国製であり、本当にいいものは中々ないというお話をさせて頂きました。
ご住職様も同じように感じておられたようで、それなら私が手直しさせて頂きましょうかと提案した所、OKくださいました。
ご住職と一緒に、福井県の中山寺に重要文化財の馬頭観音様の見学をさせて頂き、秘仏であるにもかかわらず、ご住職様のご厚意で御開帳下さり、細かい所を見せて頂く事が出来ました。
大変貴重な経験をさせて頂きました。
ご依頼いただきましたご住職様には、中国から届いたところから、少しずつ変化していくところを工場へ何度も確認に足を運んでいただきました。「石でもここまで表現出来るねんな~」と見ながらおしゃっておられました。
ご住職様の奥様も完成を見て大変喜んで下さり、長い間待っていただき、本当に感謝しております。
また一つ作品が増えた事、経験させて頂いた事、心から感謝しております。
世の中に、中国加工との違いを知って頂きたいです。
これからも精一杯精進していきたいと思います。