小さい五輪塔

お客様より五輪塔のご注文頂きました。

手加工で製作した、高さ40㎝ほどの小さい五輪塔。石は、国産の青御影石。しばらくは庭に飾り、後にご自身のお墓にされたいとの事でした。

まずは手書きで製図させて頂きました。小さいので、一石の方が崩れにくいし、良いのでは?とお話しさせて頂くと、一石だと水輪が笠の下にくっつく部分と、地輪の上のくっつく部分と、水輪の上下の部分が綺麗な丸にならないから、一石ではないものをとの事でした。

もともとこちらのお客様は、昔ながらの五輪塔等を良く知ってくださっている方なので、古いものの一石五輪塔を見て知ってくださっており、そのようなイメージだという事でした。たしかにその通りです。水輪の部分は丸であって丸でない。昔のはけっこう丸ではありません。

そのような経緯から、小さい五輪塔ではあるが、一般的な五輪塔と同じように、4つの部分に分けて作る様になりました。

まだ作っている途中ですが、小さいながらもホゾを作ってささるようにして、崩れないようにしています。穴もホゾも丸。丸にするには理由があります。昔の加工は木材の加工の技術を転用し、四角のほぞ穴でしたが、木はしなるので四角でいいのですが、石はしなる事が無いのでひねると折れてしまいます。その為石は丸になりました。

現在は、擬宝珠と水輪の加工途中です。
 

沓脱石(くつぬぎ石)完成しました。

3/8沓脱石が完成し、設置いたしました。

ご住職がご来店下さってから、5か月以上かかり、ようやく納めることが出来ました。
職人の腕が生きる仕事をさせて頂けたこと、心から感謝しております。

必要として頂けて初めて自分の腕が生きてきます。
「お願いして良かった」の一言で私の生きてきた道が認められたと感じれます。
出会いに感謝・感謝です。

3/10の大般若に間に合うように設置させて頂きました。寄付者の3名の方には1日早く3/9にお披露目と法要があり、大般若の3/10には80名程の檀家さんが大般若法要に参列され、沓脱石も見て下さいました。
寄付者の方々も、もっと小さくて、磨いてあるものが届くと思っていたらしく、「想像以上の物が届いた!」と大変喜んでくださったと聞かせて頂きました。

その後も、寄付者の方から聞いた4~5名の方々が、朝の7:30~「えらいもん入ったらしいな!どれや?」と沓脱石を見に来られたとご住職から聞かせて頂きました。ありがたい話ですね。


また数日後、ご住職より突然電話があり、「玄関の扉を開けた瞬間、沓脱石に夕日が差し込みとてもきれいで感動しました!感動を社長にお伝えしたくて!」とお電話がありました。本当にありがたい。

1日の中でも様々な表情を見せてくれるようです。ご住職にも大変喜んでいただき私も嬉しく思います。

 

沓脱石(くつぬぎ石)手作り製作 ご住職が工場へ来てくださいました。

名張市にあるお寺のご住職からご依頼いただいた、沓脱石(くつぬぎ石)の製作が、完成に近づいてきたので、ご住職に見て頂きました。

 

ご住職は見た瞬間に「これはいい!想像以上です!」と、こちらの方こそ想像以上にありがたいお言葉を頂きました。
「ここで靴を脱ぐのはもったいないから、下でぬいでもらおう」と言われていました。
くつぬぎ石がくつ脱がない石になっちゃいました(笑)

何か製作するとき、自分の感性だけのものでは、御依頼主様に満足していただけないと思っているので、見て頂いて満足して頂いて初めてほっと安心できるので、それまでは毎回緊張です。
今回のご住職のお言葉は、私にとって最高の褒め言葉です。作って良かった。喜んでいただいてよかった。と思える瞬間であり、ある意味この瞬間の為に作っています。

「やりがい」がわたしの原動力です。

近々完成し、設置です。最後の最後まで気を抜かずに、思いを込めて製作いたします。

 

 

業界紙の社長来店

私ども、石屋の業界にも昭和30年頃から業界新聞(日本石材工業新聞)があります。私はこちらの新聞社さんの紹介で、愛知県岡崎市の石材店に修行に行きました。(非常に厳しい修行だったので、その時は後悔していましたが、今となっては感謝しかありません)

私も23年間石屋をしていて、こちらの新聞に何度も載せて頂きました。ありがたいです。今回は、昨年勉強会をご紹介いただき、受講した感想、印象などを聞く為に来てくださいました。

石工職人である私も、経営者の端くれ。生きていく為には様々な勉強が必要なのです。他店の石屋さんの努力も学ばせて頂き、自社に活かす、そんな刺激を頂ける場に行かないと、変化が止まる。時代に合わせた変化が、石屋にも求められています。

職人+経営。とても大切な事です。

他にない石材店を目指してほしいと、言って頂きました。期待されることを楽しみに変えて、これからも頑張るぞ!!!

五輪塔 開眼法要

石材店を通じて作らせていただいた、手作りの五輪塔。製作者として、私まで開眼式にご招待頂きました。
設置の時に、すでにお施主様には見て頂いてあったので、この日はまだリラックスして参加させて頂けました。

天候にも恵まれ、すごく良い開眼日和でした。開眼には、3人の息子さん家族もこられており、初めて会わせて頂いた私にご家族の方のご紹介、また私の紹介もして下さいました。無事に開眼法要が終わり、塔を見ながら雑談。手打ちの事、現場のでの微調整の事、私の経歴など詳しくご紹介してくださいました。息子さん達は、この日初めて五輪塔を目にされました。


この五輪塔は、お施主様ご夫婦の生前墓で、息子さん達に、ここに私たちが眠るんだとご説明されていました。また、御長男さんには、隣にお墓を建てるんだよと、未来地のご説明もされていました。

お話をされているのを聞きながら、またお施主様のご依頼で、台座部分に私の名前も刻ませて頂いた以上、これからも頑張り続けないといけない。期待して頂いているんだと受け取りました。

私に期待してくれる方々がいて下さるから、私はこれからも作り続けられる。私の石屋人生は、「石工の道」。作る事しかない。これからも、前だけを見て頑張り続けます。