宝塔完成 そして入賞
ギリギリいっぱい、やっとの思いで作り上げた宝塔。仕事の合間をぬっての作業はかなりきつかった。
完成したのは岡崎ストーンフェアに出展する前日の夜中12時になるころでした。次の日の午前中には展示しないといけません。
昼1:00から審査。最後の一週間は本当にきつかった。休日返上で作業に当たりましたが、中々作業時間も取れません。全国から作品を公募しているので、出てくる作品は力作ばかり。
昨年は灯籠を出したのですが、それよりは良い成績になりたいと思っていました。
結果は1つ順位が上がりました。「伝統的工芸品産業振興協議会賞」を頂きました。
時間的には厳しかったですが、やりとげ、作り上げて、皆さんに評価していただき、また「美しい」という有難いお言葉もいただき、とても嬉しいです。あと、購入して頂ければ・・・・・笑
売れることは置いておいて、私達石工は、少しでも美しい尊厳のある仏塔が作れるようになれるといいなぁと思います。本来の石工のあるべき姿。それはものづくり。売る事はもちろん大切ですが、感性を磨いて作品を作る事が大切で、形に出来る事が石工であると思っています。
全国の石工と良い競争が出来る様に、これからも頑張ります!!
お墓のリフォーム加工編
最近お墓のリフォームが増えています。こんな時こそ、私の出番です!古くなった物を美しく甦らせる。それが石工の技です。
年月を重ね、苔がのって、お手入れが難しくなったお墓。明治の頃の手作りのお墓です。墓地全体の改装の際に、ご先祖様のお墓も綺麗にしてほしいとご依頼をお受けしました。砂岩のような石なので、磨いてもツヤは出ませんよとご説明させてただき、出来る限り美しく甦らせられるように頑張ります!とお伝えいたししました。
さて、どこまで綺麗に甦らせることが出来るのか・・・・。
ある程度、電動のハンドグラインダーで苔や汚れ、そして石の表面を削り、その後ハンドグラインダーで形を整えていきます。次は、砥石(といし)のついたグラインダーで表面を滑らかに、さらに手で砥石を持ってゴシゴシと表面をこすります。すると、さらに滑らかなカーブに仕上がります。
正面には丸に橘の家紋が刻んであり、手彫りの頃の味はあるのですが、形がいびつで、100年以上たった砂岩の石では、見えにくくなっていました。それも一から作り直し、はっきりと見える様に彫りました。
家紋をサンドブラストで彫り直して、さらに微振動のコンプレッサー(エアツール)で美しく立体に見える様に角を決めました。
工場に道具があるからこそ出来る合わせ技です。道具、機械がない石屋(石売り屋)さんには絶対に出来ない仕事です。加工途中の細かい写真を撮らなかったので妻に怒られました。トホホ・・・・。
出来上がりはこちらです。大名笠before↓
after↓
やりだすと、とことんこだわってしまうので、かなり時間をかけて磨きました。加工が出来るからこだわれるわけでもあるので、それが自社の強みだと思っています。この様に、古くなったお墓は全て手加工で作られていたものです。昔の職人の技を見せて頂けることは自分にとって大変刺激になります。その石を100年以上たって、自分が同じように甦らせることが出来る事は大変うれしいです。
古くなったお墓も、磨き直せば輝きを取り戻します。それも石の強み、石の魅力です。何か気になる事、やりたいことがあればお気軽にご連絡ください。古くなったお墓は暗い印象になってしまうので、リフォームすると、とても明るい印象に変わると思います。