ものづくりフェア2018に参加してきました

10/20.21に、三重県技能士会しゅさいのみえ技能祭ものづくりフェア2018が、三重県東員町のイオンモール東員でありました。

  

色々な職種の技能士会がファミリーで体験して頂けるように準備し、石工技能士会は、手彫り表札を作って頂けるようにしました。

通常なら表札は数千円から数万円しますが、この体験は超お得で、500円で体験+オリジナル表札がついてきます。  

石代だけでも数千円かかるので、やればやるほど赤字になります(笑)どこの技能士さんも同じようなことを言っていました。お金には変えられない出会いと、想いで作りですね。

2日間で30数名の方が、体験をしてくださり、ものづくりの楽しさや、大変さを感じていただけたのではないかと思います。大体の方が2時間ぐらいの所、中には朝から夕方近くまで熱心にされている方もおられました。みなさん大変上手で、集中されていました。小学生の女の子は、お母さんにも触らせずに、最後まで一生懸命作っていました。素晴らしい集中力です。

私も負けずに作りました。ここでも負けず嫌いを発動(笑)

2日間、来場して下さった皆様ありがとうございました。

石燈籠での事故について

先日、とても悲しい事故が起こりました。

石燈籠の擬宝珠(ぎぼし)部分が落ち、一人の尊い命が犠牲になりました。その件について、東京のNHKの方から、燈籠の施工基準についてお問い合わせがありました。

今現在、燈籠に関して明確な施工基準はありません。どのような点に注意して工事をしているのか、ボンドやセメントで止めているのか、等も聞かれました。

その燈籠をネットでみましたが、セメントで止めてあった様に見えました。しかし、経年劣化により、石とセメントが外れたのではないかと思います。

鎌倉時代の燈籠にはホゾがありますが、最近の燈籠にホゾはない事が多いです。ホゾがないと、地震や、負荷がかかったときにどうしても倒れ落ち易くなります。

最近の燈籠にホゾがない事が多い理由は、コストダウン重視、作業効率重視、見えるとこだけ重視等だと思われます。石の量を少なくし、見えない所の加工を省くことにより、コストダウンと作業効率を上げる事が出来ます。

先にも述べましたが、古き良きものにはしっかりとした太いホゾが加工されています。

その時代の石工は、様々な職人の中でも、地位も高く、守られていました。だからこそ、手間暇をかけて、1つの仕事に対し対価をもらうことが出来ました。

近年では、その状況と全く正反対です。

また時代により燈籠も形状の変化があります。もし、その燈籠に、深く、立派なホゾがあったら、今回の事故のような結果にはならなかったかもしれません。

これから、その燈籠は撤去の対象になるかもしれません。その他の燈籠も、撤去と言う事になるかもしれません。

石は、重くて危険。だから撤去しようとなるのは、とても残念でなりません。

何故、その様な事故が起きたのか、防げることはあったのではないか。私たち石工に出来ることは、きちんとした加工を知ること。そして施す事。

文化や技術を守るためには、絶対に手を抜かないこと。それらの事を、一般社会に正しく認知してもらう為に、訴えていくと言う事も、手を抜かないと言う事です。

職人の世界は、大変厳しい状況に陥っています。何千年と培ってきた文化が、消えそうになっています。職人の世界の理解と文化に対する理解が得られるように、啓蒙していきたいと思います。

一人でも多くの方に、耳を傾けて頂けたら幸いです。

 

国際ガーデンEXPO終わりました

10/10~10/12迄の3日間開催された、第12回国際ガーデンEXPOが終わりました。

 

 

片付け作業も早い早い!

あっという間の3日間で、沢山の方々とお話しさせて頂くことが出来ました。

 

谷本石材のブースで足を止めて下さった方々に、心から感謝しています。

この出会いを大切に、これからも頑張って行きたいと思います。

 

第12回国際ガーデンEXPO に出展しています!

今日から開催される、第12回国際ガーデンEXPOに谷本石材が初めて出展しています。

 

初の試みのため、どうなるのか分かりませんが、3日間様々な勉強が出来たらと思っています。

この日に合わせてポスターやミニ作品集、またパンフレット等を作ったり、そして燈籠も作りました。

沢山の方に見ていただけたらと思います。今、アナウンスがかかりました。いよいよ開場です。どっきどき。

お近くにお越しの方、お時間のある方は良かったらブースまで遊びに来て下さい!どうぞ宜しくお願いいたします!

やっと完成しました!

谷本雅一ミニ作品集と三つ折りパンフレットが完成しました。

中々大変でした。

少しだけ写真にてお知らせいたします。

ミニ作品集↓

中はカードタイプで裏表に写真が載っています。

三つ折りパンフレット↓

ミニ作品集についての詳細は、谷本石材のホームページに掲載いたしますので、ご興味のある方は見てください。(詳細ページはこれからの製作になります。出来ましたらブログにてお知らせいたします。)こちらよりお問い合わせください。

どうぞよろしくお願いいたします。

石造美術品「鳳閣寺宝塔」を見に行ってきました。

先日、奈良県吉野郡黒滝村にある、鳳閣寺に宝塔を見に行ってきました。

この塔は、1369年に建立された塔で、石工の名流伊派最後の棟梁、伊行長(いのゆきなが)の作品です。真言宗醍醐派を作られた理源大師聖宝さんの廟塔(お墓・供養塔)です。ずーと見たいみたいと思いながら中々かなわず、見る機会がありませんでした。やっと機会を得ることでき、行かせて頂く事が出来ました。

塔は、鳳閣寺から約600m上がった山の中にあり、鉄の柵で囲われ、堂の中で保護され祀られていました。

感動です!!!

649年前に作られたものとは思えない美しさ。本でも書いてあるように、その精密な作風は、我国石塔宝塔の中でも最優美と紹介されていました。それがこの塔です。

木造建築的構造の手法を模して作られた石の宝塔です。すごく珍しい作りです。良く作った!!手加工でこの精密な加工技術はすごい!!!の一言です。もう感動しまくりでした。すごく刺激を頂きました。

その塔を模して作られた、昭和の塔がお寺の境内に建っておりました。

この塔に、私も挑戦します。大きさは小さくなってアレンジもしますが、これを模して作らせて頂きます。昔の名工に負けないように手加工で食らいつきたいと思います。