さざれ石台石製作 お披露目

禰宜さんがご来店下さってから、数カ月がたち、やっとお披露目の日が出来ました。
お披露目前日に完成し、最後の最後までご心配おかけしましたが、なんとか間に合わせる事が出来ました。

お披露目には、私と妻もご招待いただきました。
拝殿での参拝参列者は、さざれ石を寄贈されたご夫妻、鹿島神宮名誉宮司様、君が代を書いてくださった書家の先生、書家先生の娘さんご夫婦、そして私達夫婦でした。

中々そのような場に行かせて頂く経験も少なく、夫婦ともに緊張でした。

無事参拝が終わり、氏子さん達へのお披露目となりました。まだまだ緊張は続きます。皆さんの反応はどの様なものか。どきどき。
氏子さんたちが見つめる中、除幕式が行われました。

幕を外すと「おぉ~。」と言う声が聞こえてきました。

除幕式が終わり、皆さんさざれ石のそばまで寄って、色々な角度から見て下さっていました。「いいものが出来た」「すごくツヤが綺麗ですね」「黒い石はどこの石ですか?」など次々に声を掛けて下さりました。温かい声ばかりで、本当にうれしく思いました。

今回、さざれ石寄贈に参加させて頂く事が出来、私自身やりがいのあるお仕事をさせて頂いたことに心から感謝しております。

私の頑固さに、最後までお付き合いくださった禰宜さんご夫妻、本当に感謝しております。様々な御縁に感謝です。
これからも懲りずに、末永いお付き合いを心からお願いいたします。

後日談。さざれ石と、台石に傷が付けられてはいけないと防犯カメラまで設置されました(笑)
神様の傍で悪いことをしてはいけないですよね。
その様なことが無いように願っています。

五輪塔 ②

工場で五輪塔が完成して、春日井の石屋さんに引き渡し。弊社の工場まで取りに来てくれました。

 

私としては、大切な娘が嫁に行く気持ちです。(娘はいませんけど・・・・)

 

春日井の石屋さんに少し待っていただき、最終のチェックと仕上げ。さようなら・・私の五輪塔。

 

 

数日後、現場に建てると聞いたので、春日井まで大・中・小のノミとせっとう(金槌)を持って駆けつけました。

 

工場でもきちんと仮組をし、確認していますが、手加工の五輪塔なので、微妙な加減でズレが生じます。せっかく建てて下さった五輪塔。建ち上がる最後まで見届けたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり微妙なズレが出た。お施主様も見に来て下さっている中、目の前で微調整。中々の緊張感でした。

 

近くでカメラを向けられパシャパシャ。こんな時に失敗したらえらい事です。

 

無事に自分の任務が完了し、ホッとしました。

 

後は開眼を待つのみです。

さざれ石 台石 手加工③

加工途中の石の出来栄え、石に刻む文字の事(大きさ・刻む位置)、禰宜さんには店や工場へ何度も足を運んでいただき、ご確認頂きました。加工途中の石、磨いていった石の変化、石の曲面の滑らかさなど、普段中々見る事のない所も見て頂きました。また、刻む文字も、鹿島神宮名誉宮司上野様と書家の掘先生が書いてくださった文字で刻みました。

 

 

日が近づいていたので、それこそ失敗は許されないので、余計に緊張しました。余裕は大事ですね。

 

2つのさざれ石を乗せるだけでなく、黒御影の台石の方にもきちんと石の形にくりぬいてはめ、さらにステンレスの棒を差し込んで、小さいお子様が押しても倒れないように加工しました。

 

 

出来るだけの事をして、ギリギリまで粘っていたため、加工の完成は、施工当日の午前2時を少し回っていました。何とか間に合った。後は施工を無事に終えるだけ。

 

天候にも恵まれ、無事工事が出来ました。

 

石を据えてからも最終仕上げの黒御影石にノミ打ち。下からグラデーションになる様にノミを打ちました。日本人の沸き立つ生命を表現しました。この作業は全部を組んで、景観の雰囲気を見てからしようと思っていたので、現場でしか出来なかったのです。

 

ついに完成!

 

 

真っ暗(笑)

 

完成は式典前日。数時間後には式典です。本当にギリギリで申し訳なかったです。最後の最後までご心配おかけいたしました。

 

私のこだわりを最後まで尊重して下さった禰宜さんご夫妻。そして鹿島宮の皆様。本当にありがとうございました。

 

 

 

さざれ石 台石の加工編 ②

さざれ石の台石の模型がOKを頂いてから、次はどの様に文字を刻むか、誰に書いていただくかというお話になりました。そして、黒い石を地面の上に置くだけだと文字が隠れるのではないか?見えないのではないか?という心配が出てきました。

 

そこで、台石をかさ上げするための台石、少し高さを上げてほしいとのご要望をいただきました。形はおまかせでとの事でした。

 

また一つ宿題です(笑)

 

悠久にあう台石で、四角に巻くだけでも良かったのかもしれませんが、それでは芸がない。せっかくの悠久を引き立たせる、意味のある、そんな台石を作らなければならない。

 

試行錯誤の末、さざれ石からくるイメージとそして「神社」と言う場所に結びつくように、長い歳月をかけて出来る日本の時の流れを支えて守ってくださっているのは八百万の神である。全ての物に神は宿る(汎神論)ことから、八百万の神を表現しようと思いました。

 

 

私のイメージは、神様は私達を優しく見守ってくださっている。しかし、時には厳しい面も持っておられるのではないかと思い、遠くから見ると丸く柔らかく、でも近くから見ると荒々しい表面。それをノミ切り仕上げで表現しようと思いました。

 

 

 

数は13個。日本は神仏混合なので、13という数字で作りました。しかし、施工の段階で13と言う数字はあまり・・・・・となり、急遽数を変えることになりました。特に縁起が良い数字は15・24が案に出ました。13+2で15個にすることになりました。

 

2つ増えるだけでもどう増やすか。禰宜さんご夫妻も、これから作業内容を増やすのは大変だという事を思って下さり、今までの作業が無駄にならないようなデザインのご提案もしてくださいました。しかし、私自身がデザインの妥協ができず、既に出来ている13個全ての石の大きさを小さくし、プラス2個作るという事でご了承いただきました。本当に頑固で申し訳なかったです。残るものなので、どうしても妥協したくなかったのです。私自身の勉強不足、縁起の良い数字を始めから調べれば良かった。

 

今更そこを悔やんでも仕方ありません。残された時間が限られていました。外周から1個の大きさを出して、全てをだいたいその大きさに急いで加工。やり直しだからといって手を抜くわけにはいきません。1回目より美しいように頑張って加工しました。

 

人間、追い詰められたら出来るものです(笑)

 

 

 

 

15個完成しました。人生は常に勉強ですね。

 

15個完成し、施工したのが式典の3日前でした。まだ上の悠久の加工が残っています。

 

 

手作り 伝統工芸 沓脱石(くつぬぎいし)①

名張市にあるお寺のご住職が本社へご来店下さり、沓脱石(くつぬぎいし)が欲しいとの事でした。

ご住職からのご依頼は、中国製の四角い石で良いとの事でした。

弊社の事は、HPを見て知ってくださったらしく、色々なお話を聞かせて頂くと、ご住職も石が好きという事で、それならお寺で後世にも残してもらえるような美しい、雰囲気の良い、世界に一つしかないようなものを一緒に作らせて頂けませんか?

お寺はずっと受け継がれていくもの、だからこそ美しく価値のあるものを作って残しませんか?とお伝えいたしました。

ご住職も賛同してくださり、手加工の沓脱石の製作をさせてていただくことになりました。デザインはおまかせしますと言って頂いたので、私の方で考えさせていただきました。

 

 

先ずは一部分を製作し、ご住職にイメージが伝わる様に見て頂く事にしました。